パレスチナの世界遺産 オリーヴとワインの土地 – エルサレム南部:バティールの文化的景観

2020年6月13日

今回はパレスチナの世界遺産、「オリーヴとワインの土地 ー バティールの丘:南エルサレムの文化的景観」について紹介いたします!この世界遺産は危機遺産となっています。なお、パレスチナの世界遺産は2件あり(もう1件は「イエス生誕の地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路)、いずれも危機遺産となっています。そんな2件しかないパレスチナの世界遺産のうちの1つ、「オリーヴとワインの土地 ー バティールの丘:南エルサレムの文化的景観」はどんな世界遺産なのでしょうか。見ていきましょう!

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バティールの灌漑システムと段々畑

バティールはエルサレム南西部に位置する街です。バティールには約2000年前に造られた石造りの段々畑と伝統的な灌漑システムがあります。バティールの丘には段々畑が続く景観が広がっています。

バティールはパレスチナの主要な野菜生産地であり、ブドウやオリーヴの生産が盛んです。

野菜の畑には伝統的な灌漑システムを用いています。この灌漑システムは7カ所から湧き出る水を、水門を利用して手動で水の流れを制御し、畑や設備に水を行き渡らせます。一方、ブドウやオリーヴは灌漑されず乾燥した場所で栽培されています。

このような農業が約2000年間守り続けられ、現在でも続いているのは本当にすごいですよね!

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世界遺産への登録

「オリーヴとワインの土地 – バティールの丘:南エルサレムの文化的景観」は2014年に世界遺産に登録されました。登録基準は、

(4)歴史的に重要な建築様式、建築物群、科学技術の発展、または景観を代表する優れた例である

(5)ある文化の伝統的集落、陸上や海上利用の代表的な例。また人類と環境の交流が示されている代表的な例。

です。

この遺産は世界遺産登録と同時に危機遺産となりました。ここには他の一般的な世界遺産とは違う背景があります。

パレスチナは国際連合では正式な加盟国になれていないものの、ユネスコには正式な加盟国として2011年に承認されています。その後、パレスチナ自治政府は、遺産の破損状況などによる保護の必要性から世界遺産への緊急の登録を要する遺産を推薦する、緊急的登録推薦を何度か行っています。バティールの文化的景観もその1つです。イスラエルがパレスチナ自治区の1部であるヨルダン川西岸地区との間に分離壁の建設を計画し、それがバティールの灌漑システムを寸断するようになっていたことから、パレスチナ自治政府はバティールの丘を緊急的登録推薦しました。

そういった背景から世界遺産の登録と同時に危機遺産となりました。現在、分離壁はバティールには造られること無く、文化的景観が守られています。世界遺産登録により、遺産が守られた良い例ですね。

まとめ

今回は「オリーヴとワインの土地 – バティールの丘:南エルサレムの文化的景観」について紹介しました。パレスチナ問題は複雑であるものの、それにより素晴らしい遺産が失われることは防がなくてはなりません。そういうときこそユネスコ、世界遺産の出番ですよね。今後もこの遺産が失われることが無く、保護保全により、守られていくといいですね。

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文化的景観

Posted by RiI